<研究発表>

●高澤陽二郎・豊田光世・松井大輔・橋本学・坂口雄介(2025)「地域フィールド志向の活動に参画する学生の心理的径路 -「ローカルイノベーションプログラム in佐渡」参加学生を事例に-」日本キャリアデザイン学会 第21回研究大会資料集, 211-216ページ

 

大学の教育改革/地方からの若者の流出・働き手不足があちこちで叫ばれ、学生の注目を集めようと様々な取組への参加勧奨がなされる昨今、学生は、自らの学びと卒業後のキャリアを見据えつつ、地域のフィールド志向の学習・活動の存在をどう受け止め、参画に至っているのだろうか。

 

本研究発表は、新潟大学・佐渡市・(株)NTT DXパートナー他が2022・2023年度に実施した「ローカルイノベーションプログラム in佐渡」に参加した学生の一部を調査対象とし、その活動に学生が参加し活動を継続するに至った心理的な径路について探索的に明らかにしたものです。

 

学生7名に行った半構造化インタビューの内容について、複線径路等至性アプローチ(TEA:Trajectory Equifinality Approach)を用いた分析を行った結果、地域での課題解決活動に学生が関わる径路として、以下の3つの類型が見られたことを報告しました。

 

●類型1「就職活動に向けた“ガクチカ”としての地域活動」

●類型2「複数の地域に関わった経験をもつ、地域活動の“常連”」

●類型3「“今ここにない世界”の渇望・好奇心」

 

いずれも、地域側の関係者が期待するような当該地域への愛着/その土地での将来的なキャリア形成の展望といった動機には簡単に当てはめられない心理的径路がそこには見出されました。

高校までの生活・受験の影響、大学生活数年間の中で繰り返される試行錯誤、就職活動を見据えた不安や焦りなど、大学生活の時間軸に応じて生じる様々な心理的要因が、地域フィールド志向の活動への学生の参画を後押ししていることを指摘しています。